競馬の話その2

ムスリムにとって断食明けのお祭りがとても大事な行事です。
大人も子供も着飾って、尊敬する人、親族などを訪ね1年間の許しをこうのです。
では何故ムスリムは1ヶ月間断食しなければならないのでしょうか。
その一つは、日の出から日没まで総ての欲望を断ち、アッラーへの感謝を忘れないこと。
2つめは、貧しくて食べることさえままならない人達を忘れないためです。
断食中は、食事はもちろん、水、たばこなどの嗜好品、悪いことを考えるのさえいけません。
ただし日没後は普段の生活に戻ってかまいません。
またその日の断食が明けた時、近くに食べられない人がいたら、かならず呼んで食べさせます。
この時期会社などでも、ボーナス、食事会などがあります。
また30日間の断食の終わりのために、家族中の洋服、靴などを新しく買います。
断食の月は普段の月よりお金が掛かります。
さて、アブドラさんという競馬の騎手がいました。奥さんは2人、こどもは合わせて5人。
2週間後に断食月を控えたその夜、ボモ(マレーの祈祷師)を訪ねました。
アブドラ「自分は今年まだ1勝もしていません、このまま年末まで行くと騎手免許を剥奪されます。
女房子供にも新しい洋服を買ってあげたいのです、なんとか勝たしてください。
ボモ「明日の日没に、生きたニワトリとライムを5個買って、あなたが何時も使っているムチと一緒に持って来なさい、お祈りしてあげるから」
アブドラ「ボモあなたへのお礼は幾らですか」
ボモ「私はお金の額は云えません、あなたにまかせます。でもかなず今度のペナン競馬で勝ます」
アブドラ「ありがとうございます」
翌日、友達から借金してくだんのボモを訪ねます。
まず日没のお祈りをボモと2人で行った後、ボモがチャワンに水を張りライムを切ってたらし、ライムが水の中でユラユラするのをじっと見つめて、
ボモ「今度のペナン開催では何レース騎乗するのか」
アブドラ「1週目1レース、2週目にも1レースです」
ボモ「その二つとも勝たせてやろう」
ぶつぶつと言って何やらお線香のようなものを火にくべる(こちらではクミヤンと言う)
煙がもうもう、その上にムチをささげぶつぶつ(何を言っているかわからない)
最後にアッラーアクバー(アッラーは偉大なり)と言ってアブドラを振り向く。
ボモ「良いか、今からこのムチは絶対に土につけてはならん」
ニワトリの首を切って(ぎゃぎゃぎゃぎゃ)ライムの入っている水の中へ血をざざざ。
神に感謝のお祈りで儀式は終わり。
アブドラさんはお金が無いので、クアラルンプールからペナンまでは汽車で行きます。
ムチを胸の前でささげ持つように大事そうに持っていると、同僚の騎手が、何故そんな格好でムチを持っているのか、アブドラさん、なんでもないよ。
ペナンでホテルには泊れない、いつも親戚の家に泊めてもらう。
さていよいよレースの時、こちらの競馬はレース時間20分ぐらい前から観客席の前のパドックを回って
5分前ぐらいに馬場に出て行く。
この日アブドラが騎乗する馬の配当は単勝50倍の配当、アブドラさん友達にたのんで20枚買う。
レース20分前、馬が1頭又1頭パドックに出てくる、騎手は1ヶ所に待機して騎乗命令のかかるのを待っている、その中にアブドラさんも居る。10分前騎乗命令。
騎手全員が各馬に騎乗する、アブドラさんいよいよ騎乗、馬手さんに片足を支えてもらって馬に飛び乗る、その瞬間手がすべってムチが落下、馬手さん空中でつかもうとするがそのまま芝に落ちる。
アブドラさん一巻の終わり。かわいそう。

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この記事へのコメント

kubota
2007年12月17日 03:22
この話はここで終わりですか?続きはないのですか?
とても知りたいです。

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